SCRAPBOOKING
スクラップブッキング オンライン教室 
レッスン7

写真の劣化について研究実験してみました。

メモリープレイス

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最近よく「アシッドフリー」についても質問を頂くようになったのですが、写真を劣化させる要素について、
ちょっとお話したいと思います。(用語集をまだご覧になってない方は先にご覧ください。) スクラップブッキング用語集

実は、うちの4年生の娘の理科自由研究発表が最近ありまして。「スクラップブッキングを日本で流行らせるんだ!」
と張り切っている娘と一緒に(母娘ではりきってるんですね(笑))、「写真を劣化させる要素」について、ちょっと
研究実験してみました。

まず最初にリサーチとして、Library of Congressのサイトへ行って 「写真の扱い方」についての記事を読みました。
こういうことについて書いてあるサイトは他にも色々ありますが、ここは米国政府の機関なので、参考文献としては
ここの記事を使わせてもらいました。Library of Congressでは、歴史的価値がある写真、書物、他色々を保存する
役目をしているようでして、よその政府機関や団体も、もここで発表されている保存方法に従っているそうです。

写真を劣化させる要素:
記事によると、写真を劣化させる要素として、環境的なものも含めて、以下があげられています。

1.湿気
2.高温(気温)
3.太陽光(UV)
4.酸(アシッド)
5. PVC (写真や紙を劣化させる、塩化水素酸を発するビニール)
6.sulfur (硫黄)
7. peroxides (過酸化物)

あと、人間の汗には塩が含まれているので、それも避けるようにとか。

保存方法について
紙で囲って写真を保存する場合は(アルバムとか、箱とかの場合ですね)、アシッドフリー、リグニンフリー
ものを使うように、と書いてあります。フレームに入れる場合も、マットにする紙はアシッドフリーの紙を
使うように、と。酸を含んでいる紙類、アルバム、ダンボール、PVC(透明な台紙カバーはこれが入ってないか
気をつけてください)、輪ゴム、ペーパークリップ、圧力に弱いテープやラバーセメントは使わないように、
ということだそうです。

私が日本から持ってきた、昔のアルバムがいわゆる「マグネティックアルバム」と呼ばれるもので、日本でも
アメリカでも、今でもよく売っている、粘着性のある台紙に写真を貼って、その上にクリアなシートをかぶせるという
タイプのアルバムです。これが、1976年と母の字で題名が書いてあるものなど、中の写真も色褪せて、黄色いしみ
があちこちでき、アルバムの台紙からして茶色く汚く変色してしまってるんです。
(この「マグネット」というのは、粘着性で、くっつくからそう呼ばれると解釈してますが・・)

更に、マグネティックアルバムの透明なカバーの部分は、PVC(写真や紙を劣化させる、塩化水素酸を発するビニール)
を含んでいることが多いので、ダブルパンチです。


「アシッド」(酸について)
ではアシッドフリーとは
どこまでがアシッドフリーか?ということですが、pH7以上が「アシッドフリー」
と呼ばれています。そして、このアシッド(酸)は、acid migrationと言って、年月たつと、一緒に入れてあるものに
移ってしまうんですね。それで、写真が劣化してしまいます。それから、年月がたつと、アシッドの含有量も増えてしまう
という研究結果も別のサイトにありました。

pH testing penでアシッドテストをしてみました。
では実際に、どんな紙がアシッドフリーなのか?ということを調べるために、
pH testing pen (Light Impressions)
というペンを買って、色々テストしてみました。

ペン先が青なのですが、ペンで書いた跡が
青のままであれば、アシッドフリー(pH7以上)
緑→黄色に変わるとその順に、アシッド含有率が高くなるということだそうです。

日本から持ってきた1976年の
粘着性タイプのアルバムをテストすると・・・・
ペンの跡が見事
「黄色」になりました。余程、酸の含有率が高いんですね。道理で写真やアルバムの劣化がすごい。
Library of Congressの説明でも、
「マグネティックアルバム」は避けるように!と書かれています。
早く写真貼り替えしなくちゃ・・・。

また日本から持ってきた、他のアルバム(粘着するタイプではなく、台紙の上の透明なポケットに写真を差し込むタイプです)
も、見事「黄色」になりました。写真はずしとこ〜っと。

で、他の
「アシッドフリー」とされている、アルバム台紙、カードストック、他
をテストしてみたら、やっぱり
「青」のままなんです。よかった〜。

千代紙もテストしてみました。「黄緑」です
というわけで、千代紙は耐久性は優れていても、アシッドフリーではないようです。

ダンボール(英語ではカードボード)も試してみたところ、「黄色」と出ました。くれぐれもダンボールの箱に
写真を保存しないように!

新聞紙「黄緑」!新聞の切り抜きなんかもアルバムに入れたい時がありますが、これは、コピーを取るなり、
スキャンして写真用の紙にプリントするなりして、新聞紙をそのまま入れるのは避けましょう。

ちなみに、いつも使っている、カラーインクジェットプリンター(うちのはキャノンです)で印刷した部分
をペンでテストしてみたら、
「青」のままでした。ジャーナル書きもパソコン使ってプリントアウトして、大丈夫みたい
です。ジャーナルをプリントするペーパーは、勿論アシッドフリーのにしましょうね。

どこまでこだわるべき?

で、
どこまで「アシッドフリー」にこだわるか、ということについてですが。
これはもう、個人個人で安心できるレベルを決めて頂くことになります。

最近では、アメリカのスクラップブッカーの間でも、色々な材料を使用するのが流行っていて、「これもアシッドフリー
なの?」というようなものもあります。でもとにかく
「写真に直接触れるものは必ずアシッドフリー
のものにするように」
というところに落ち着いているようです。私も質問を頂くと、これを提案しています。

勿論、「アシッドフリーって認定されているものでないとアルバムに絶対入れないわ!」という方もたくさんいらっしゃいます。
この辺はやはり、20−30年たってみないと(もっとかも)、どれ位違いが出るのか?結果がわからないですね・・・。
とにかく色々調べて、ご自分で安心できるレベルを決めてください。

「和風のページを作ろう」のページでも触れていますが、アシッドフリーかどうか心配なものは、直接、写真に
触れる場所に置かないで、ちょっと離して、ページアクセントやボーダー等で使用すれば良いと私は思います。
ですが、台紙やシートプロテクターは勿論、写真を貼り付けるテープやのり等の接着剤もアシッドフリー
のを使ってください。

また、「アーカイバルミスト」という、スプレーが販売されていて、アシッドフリーではない、メモラビリア等
をアルバムに入れたい場合にスプレーすると、酸化の進み具合や、acid migrationを押さえることができるそうです。
これは、私も使ってみようと思いますが、これも実際の結果が出るのに、20−30年かかりますよね。

      5月20日追記。アーカイバルミストがショップに入荷しました。便利ツールの商品ページにあります。
     アーカイバルミストは、永久的なアルカリバッファを紙に浸透させ、紙をアシッドフリー(pH7以上)にします。


で、娘の研究発表用には、直射日光にしばらく当てた写真とか、お風呂場に置いておいた写真とかもディスプレイ
しました。しかし、たった1週間ではあまり劣化しなかったです(笑)。もっと前から準備するんだったー。
でもまあこの辺の劣化要素はわかりきってることだと思うので。それでも少しは劣化してました。

というわけで、長期保存するためには、アルバムや他の材料等に気をつけてください。
最低でも「写真に直接触れるものは必ずアシッドフリーのものにするように」してください。



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