SCRAPBOOKING
スクラップブッキング オンライン教室
レッスン7
写真の劣化について研究実験してみました。
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2003
by Emiko Kume, Memory
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最近よく「アシッドフリー」についても質問を頂くようになったのですが、写真を劣化させる要素について、
ちょっとお話したいと思います。(用語集をまだご覧になってない方は先にご覧ください。)
スクラップブッキング用語集
実は、うちの4年生の娘の理科自由研究発表が最近ありまして。「スクラップブッキングを日本で流行らせるんだ!」
と張り切っている娘と一緒に(母娘ではりきってるんですね(笑))、「写真を劣化させる要素」について、ちょっと
研究実験してみました。
まず最初にリサーチとして、Library of Congressのサイトへ行って
「写真の扱い方」についての記事
を読みました。
こういうことについて書いてあるサイトは他にも色々ありますが、ここは米国政府の機関なので、参考文献としては
ここの記事を使わせてもらいました。Library of Congressでは、歴史的価値がある写真、書物、他色々を保存する
役目をしているようでして、よその政府機関や団体も、もここで発表されている保存方法に従っているそうです。
写真を劣化させる要素:
記事によると、写真を劣化させる要素として、環境的なものも含めて、以下があげられています。
1.湿気
2.高温(気温)
3.太陽光(UV)
4.酸(アシッド)
5. PVC (写真や紙を劣化させる、塩化水素酸を発するビニール)
6.sulfur (硫黄)
7. peroxides (過酸化物)
あと、人間の汗には塩が含まれているので、それも避けるようにとか。
保存方法について
紙で囲って写真を保存する場合は(アルバムとか、箱とかの場合ですね)、
アシッドフリー、リグニンフリー
の
ものを使うように、と書いてあります。フレームに入れる場合も、マットにする紙はアシッドフリーの紙を
使うように、と。酸を含んでいる紙類、アルバム、ダンボール、PVC(透明な台紙カバーはこれが入ってないか
気をつけてください)、輪ゴム、ペーパークリップ、圧力に弱いテープやラバーセメントは使わないように、
ということだそうです。
私が日本から持ってきた、昔のアルバムがいわゆる
「マグネティックアルバム」
と呼ばれるもので、日本でも
アメリカでも、今でもよく売っている、粘着性のある台紙に写真を貼って、その上にクリアなシートをかぶせるという
タイプのアルバムです。これが、1976年と母の字で題名が書いてあるものなど、中の写真も色褪せて、
黄色いしみ
があちこちでき、アルバムの台紙からして
茶色く汚く変色
してしまってるんです。
(この「マグネット」というのは、粘着性で、くっつくからそう呼ばれると解釈してますが・・)
更に、マグネティックアルバムの透明なカバーの部分は
、PVC(写真や紙を劣化させる、塩化水素酸を発するビニール)
を含んでいることが多いので、ダブルパンチです。
「アシッド」(酸について)
ではアシッドフリーとは
どこまでがアシッドフリーか?
ということですが、
pH7以上が「アシッドフリー」
と呼ばれています。そして、このアシッド(酸)は、acid migrationと言って、年月たつと、一緒に入れてあるものに
移ってしまうんですね。それで、写真が劣化してしまいます。それから、
年月がたつと、アシッドの含有量も増えてしまう
という研究結果も別のサイトにありました。
pH testing pen
でアシッドテストをしてみました。
では実際に、どんな紙がアシッドフリーなのか?ということを調べるために、
pH testing pen
(Light Impressions)
というペンを買って、色々テストしてみました。
ペン先が青なのですが、ペンで書いた跡が
青のままであれば、アシッドフリー(pH7以上)
。
緑→黄色
に変わるとその順に、
アシッド含有率が高くなる
ということだそうです。
日本から持ってきた1976年の
粘着性タイプのアルバム
をテストすると・・・・
ペンの跡が見事
「黄色」
になりました。余程、酸の含有率が高いんですね。道理で写真やアルバムの劣化がすごい。
Library of Congress
の説明でも、
「マグネティックアルバム」は避けるように!
と書かれています。
早く写真貼り替えしなくちゃ・・・。
また日本から持ってきた、他のアルバム(粘着するタイプではなく、台紙の上の透明なポケットに写真を差し込むタイプです)
も、見事「黄色」になりました。写真はずしとこ〜っと。
で、他の
「アシッドフリー」とされている、アルバム台紙、カードストック、他
をテストしてみたら、やっぱり
「青」のまま
なんです。よかった〜。
千代紙
もテストしてみました。
「黄緑」です
。
というわけで、千代紙は耐久性は優れていても、アシッドフリーではないようです。
ダンボール
(英語ではカードボード)も試してみたところ、
「黄色」
と出ました。くれぐれもダンボールの箱に
写真を保存しないように!
新聞紙
も
「黄緑」
!新聞の切り抜きなんかもアルバムに入れたい時がありますが、これは、コピーを取るなり、
スキャンして写真用の紙にプリントするなりして、新聞紙をそのまま入れるのは避けましょう。
ちなみに、いつも使っている、
カラーインクジェットプリンター(うちのはキャノンです)で印刷した部分
をペンでテストしてみたら、
「青」
のままでした。ジャーナル書きもパソコン使ってプリントアウトして、大丈夫みたい
です。ジャーナルをプリントするペーパーは、勿論アシッドフリーのにしましょうね。
どこまでこだわるべき?
で、
どこまで「アシッドフリー」にこだわるか
、ということについてですが。
これはもう、個人個人で安心できるレベルを決めて頂くことになります。
最近では、アメリカのスクラップブッカーの間でも、色々な材料を使用するのが流行っていて、「これもアシッドフリー
なの?」というようなものもあります。でもとにかく
「写真に直接触れるものは必ずアシッドフリー
のものにするように」
というところに落ち着いているようです。私も質問を頂くと、これを提案しています。
勿論、「アシッドフリーって認定されているものでないとアルバムに絶対入れないわ!」という方もたくさんいらっしゃいます。
この辺はやはり、20−30年たってみないと(もっとかも)、どれ位違いが出るのか?結果がわからないですね・・・。
とにかく色々調べて、ご自分で安心できるレベルを決めてください。
「和風のページを作ろう」のページでも触れていますが、アシッドフリーかどうか心配なものは、直接、写真に
触れる場所に置かないで、ちょっと離して、ページアクセントやボーダー等で使用すれば良いと私は思います。
ですが、
台紙やシートプロテクターは勿論、写真を貼り付けるテープやのり等の接着剤もアシッドフリー
のを使ってください。
また、「アーカイバルミスト」という、スプレーが販売されていて、アシッドフリーではない、メモラビリア等
をアルバムに入れたい場合にスプレーすると、酸化の進み具合や、acid migrationを押さえることができるそうです。
これは、私も使ってみようと思いますが、これも実際の結果が出るのに、20−30年かかりますよね。
5月20日追記。アーカイバルミストがショップに入荷しました。
便利ツールの商品ページ
にあります。
アーカイバルミストは、永久的なアルカリバッファを紙に浸透させ、紙をアシッドフリー(pH7以上)にします。
で、娘の研究発表用には、直射日光にしばらく当てた写真とか、お風呂場に置いておいた写真とかもディスプレイ
しました。しかし、たった1週間ではあまり劣化しなかったです(笑)。もっと前から準備するんだったー。
でもまあこの辺の劣化要素はわかりきってることだと思うので。それでも少しは劣化してました。
というわけで、長期保存するためには、アルバムや他の材料等に気をつけてください。
最低でも
「写真に直接触れるものは必ずアシッドフリーのものにするように」
してください。
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